復活


□趣(おもむき)
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パチッ トン パチッ トン


不規則に響く木製の音

庭の鹿おどしとはまた違った風情



「王手」

「クフフ、チェックメイト」

「…んー…」


みなさんもお気付きの通り明らかにおかしい

しかも碁盤は一つしかないのだ



パチッ


「あ、僕のジャック!!」

「僕の桂馬を取ったお返しだよ」



雲雀側には厚さ数ミリほどの板が何枚かあり
骸側には頭がバラバラのポーンが幾つかある

一般で将棋、そしてチェスと呼ばれるあれである




『恭弥、チェスやりませんか?』
『僕将棋がいい』
『チェスのがいいですよ!』
『五月蠅い』

そう言ってチェスのポーンを碁盤に乗せた雲雀を見て骸が目を丸くしたのはつい最近のこと

雲雀の行動には常時驚かされる


優勢を握るのは骸である

雲雀が裏を読むとするなら
骸はその裏の裏ぐらいを読んでいる

普段の戦い方が駒の動きに出ていると言えよう
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