むくむく


□真と理
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目の前で大胆に傾ければ不機嫌そうな顔をして立ち上がると花火をやってる方へ行ってしまった
君って子供だよね、とこないだ言ったらそっくりそのまま返されたっけ


飲酒したことで体が少しほてり、さらに暑さを感じる
少々着流しを寛がせたら風が僅かに入り込んできて快い


それからしばらくウトウトしていたらしい、気がついたら骸が僕の顔の前で手をちらつかせていた

「…な、何?」
「クフフ、線香花火やりませんか?」

了承もしてないのに、細長い物体を持たされた
これを懐かしいと思える僕は年をとったことを実感する

「おや…?
もしかしてやり方がわからないなんてことは…」
ありませんよね?、と聞く前に蹴りを入れてやった(避けられたけど)

「僕を誰だと思ってるの?」
「クフフ、失礼しました」


全くこの男は…
言葉を交わすだけでイライラする

10年前のあの時からずっと何も変わっていない
変わったといえば髪と背…あとオフの日は部屋に閉じ籠っていることぐらいだろうか
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