むくむく
□IN THE NIGHT
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遊びも終幕
骸は鬱陶しいと言わんばかりにマントの紐を解き始めた
するとそれを見た雲雀が骸の手をグイッと引っ張って紐から離し、さらに反対の手で背中を押した
骸はバランスを崩して小さな身体が雲雀の方に倒れる
「似合ってるんだから着てなよ」
雲雀の胸より少し下辺りに顔を埋めた骸の耳がほんのり紅く染まる
可愛い、と思いながら紺の頭をそっと撫でる
「…子供扱いしないで下さい」
「ふっ、子供のくせに」
頭を撫でていた手を骸の頬へと移すと、柔らかい子供の肌の感触
それに病み付きになってずっと触っていると、骸が欠伸を漏らした
「眠いんだ」
「眠くありません」
「じゃあずっとここに居なよ
僕はもう寝るから」
骸から離れてわざとらしく欠伸をし、部屋へと向かう
きっと呼び止めるなり、追いかけて来るなりするだろうと思っていたが、寝室の前まで来ても物音一つしない
もう夜も深く、風は冷えている
「………」
強い苛立ちを感じたが結局雲雀は戻った