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□マカロン・ホリック
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4月20日。
この日は私にとって特別な日である。
だって、今日は、
「あ、プレゼント買ったよ。はい。」
「わあ・・・、っありがとう!」
だって今日は私の誕生日だから。
ああもうなんて気分がいいの!
一年の時クラスが一緒で仲良かった友達にプレゼント貰えた!覚えていてくれたのね!
たかってないのに自然にプレゼントを貰えるこの幸福感!たまらないわ!ビバ誕生日!
あと同じクラスの悪友から貰う予定だし、家に帰ったらきっとお母さんがケーキ買ってきてくれてる!うおっしゃ!ショートケーキがいいな!
そんなるんるん気分で旧友からのプレゼントを抱えて昇降口へ向かう。
「・・・あ、丸井。」
そう言うと赤髪の奴はおう、なんて言いながらこちらに振り返った。
丸井は私の抱えるプレゼントを見てからにやりと笑った。
「なに、俺にくれんの?」
「・・・はぁ?あんた、何言ってんの?」
「照れなくてもいいんだぜ、あーちくしょうなんかお前可愛いなっ!」
「はぁ!?あ、あんた頭沸いたんじゃないの!?」
「あぁ?可愛いっつってやってんのになんだその態度は。」
「いやいや本当にどうしたの?熱でもあるの?大体これ私が貰ったやつだし。」
そう言うと、今度は丸井がは?と聞き返してくる。
ああ、なんかうざくなってきた。大体あんたに関係ないっつーの。
「・・・つか、なんでそんなプレゼント抱えてんの?」
「だって今日俺の誕生日だし。」
「・・・・・・は?今日は私の誕生日だから。」
「・・・・・・は?」
ああなるほど。
私も丸井も誕生日だったってことね。
丸井も皆からプレゼント貰ってこの小さな幸福感を味わっているのね。
それじゃあ、とバッグから私がいつも噛んでいるガムを一つ差し出す。
「お、くれんのかよぃ?」
「誕生日なんでしょ?」
「サンキュー!やっぱお前いい奴だわ。」
「じゃあね。」
「あ、ちょい待ち!ほれ、やるよ。」
「・・・なんだこれ。」
「グリーンアップルガムだぜ。お気に入りのメーカーのだ。特別にやるよ。」
特別に。
そう言って笑った丸井がなんとなくかっこよかった。
・・・まあ、言ってやんないけど。
マカロン・ホリック
title by 藍日様
▼ぶんちゃん誕生日おめでとう!愛してる!
Charlotte ちか