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□きらきらの誘惑
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「・・・・・・・・っ、」

言葉を失ってしまう。
綺麗な赤髪がふわふわと舞う。
彼が動くたびにワンテンポ遅く彼についていく髪。
自分で天才的なんて言っちゃうけど、本当に天才だな、なんて思わせる妙技。
何より私を虜にするのは、彼の全身から溢れ滴る汗。

彼がジャンプするとき、膨れたユニフォームからチラリと覗く筋肉のついた腹。
ボールを跳ね返すとき、宙に舞うきらきらしたそれに私は釘付けである。

荒い息が漏れる唇。
するりするりと輪郭をなぞって顎に伝う汗。
血が巡って程よい桃色の唇。
コートに立つ彼の一つ一つの仕草やパーツに血が噴火し、身体が燃え盛るように熱い。
なのに腕には鳥肌が立ってぞくりと身体を震わせる。

彼に、触れたい。
輝く滴を、火照った頬ごと舐めて溶かしてしまいたい。


「おう、俺の天才的妙技、見てたか?」

「うん。すごいや。テニスはよく分かんないけど、あんなことできるのブン太だけなんじゃない?」

「そりゃそうよ!俺しかできねえほど難しいからな!」


コートから出てきて、がっはっはと豪快に笑う彼。
笑っている間にも、彼の手は全身で光る汗をタオルでどんどん拭きとっていってしまう。


ああ、だめ。
まだその姿を見ていたい。


そう思ったら止まらない。
私は彼のタオルを握る手を制してしまった。

「・・・え?」

彼は不思議そうに首を傾げるのみ。


「・・・あ、その、私、拭いてあげよっか・・・?」

「え、まじ!?拭いて拭いて!」


仔犬のように目を輝かせてタオルを渡す彼。
正直、拭きたくない。
でもまあ勢いとはいえ言ってしまったからにはしょうがない。
それに、彼だっていつまでもこうしてるわけにはいかないだろう。

タオルを持って彼の背後に回る。
首にかかる赤をそっと払うと、首についている汗が目に入る。

それは私の目を眩ませるほどだった。
赤から覗く白い首で光る何粒のも汗。
緩やかに背中に落ちていく様に、私は思わず息を呑んでしまう。


「?どうした?早く拭けよぃ?」


やばい、拭けない。
・・・こ、こんなのズルイじゃない!





きらきら誘惑

title by アメジスト少年


▼ぶんちゃん誕生日おめでとう!
誕生日に関係ない話ですみません。でも私は大満足です。私の全てを詰め込めた気がします。・・・おかげで私の趣味が丸出しになった気がします。
素敵な企画に参加させていただき本当にありがとうございました!

Charlotte ちか

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