あたしの団長サマ!

□あたしの事件4
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・・・・・ここ・・・、どこ?


真っ暗で・・・何も、見えな・・・・・いよ・・・・・・・。



意識を失っていたあたしが目を覚ましても、失明状態は治っていなかった。

痛む左肩を気にしながら気配を探る。

ゆっくり立ちあがってみると、右手に何かがぶつかった。

そっと触って確かめてみると、カサカサと乾燥していて、ところどころにトゲのようなものがある。

・・・・・・木材か?
その木材らしきものは曲線状になっていた。
そのまま手を下に滑らせると、ボコっとした大きなへこみに当たる。

・・・・・これ、このあいだ団長と取り合った地球産の米じゃないのか?
たしか団長はあのとき、米が入った樽を投げつけてへこみを作っていた。

・・・とすれば、ここは米を保管している食料倉庫かもしれない。

適当に歩いてみると、壁にぶつかる。
何かないかと手で懸命に探していた、そのとき、



ガチャリ



金属の音。
首元には冷たいものが当たる。


「・・・逃げ出されちゃ困るよ。」


意識を失う前に聞いた、低く不気味な声。


『・・・お前らが侵入者か?』

「そうかもなァ。」

『何が目的だ。』

「目的、ねェ・・・強いて言えば、第七師団を潰すこと、かな。」

『・・・じゃあ団長を拉致すればいいじゃないか。』

「それじゃ意味がないだろう?相手の弱みを握るのは基本だよ、副団長殿。」


クック、と楽しそうに喉を鳴らす男。


『・・・つまり第七師団でもあたしが一番弱そうに見えるってこと?』

「所詮"女"だろ?」

楽しそうに笑う声。

"女"という男女差別。

弱そうに見える、という侮辱。


全てがあたしの癪だった。




『・・・・・残念だったな。』


「・・・なんのことだ?」





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