あたしの団長サマ!

□あたしの来客6
1ページ/1ページ


「・・・・阿伏兎さーん、何か・・・ありましたかー?」


良平が死にそうな顔して寄ってくる。
まぁ俺も似たような顔をしているだろう。


「・・・ねェよ、なーんも。」


俺と良平は団長に、
「ちょっとでも気になることあったらすぐ知らせてネ。」
なんて言われてその気になることを必死で探している。
「あったら」なんて言っていたが、なにも情報がないと、

「今まで何してたの?殺しちゃうぞ。」

と、なるに決まってる。

・・・まったく。
なんて厄介な上司をもったことか・・・。

今更ながら痛感した。
あーもー全然ねェよ。
つーかわかんねェよ。

そんなことを思いながら適当に資料を捲っていた。


「・・・ん?」


俺は一枚の資料に目を留めた。
そこにはついさっきみた顔写真と名前があった。

まだ若い青年の写真の横には"勝利へ導いた隊長"とあった。
なんだ?この馬鹿げた資料は。
・・・・・・・・ん?


「・・・・・なあ良平、」

「はい。」

「北の戦争って確か村同士の争いがでかくなって戦争に繋がったんじゃなかったか?」

「そうっすけど?」


・・・おいおい、冗談よせよ。


「どうかしたんスか?」

「・・・・・・・・る。」

「え、」

「この資料書きかえられてんだよ!」

「そんな・・・・・っ、」

「団長呼んで来い!」

「は、はい!」


・・・いや、正確には資料が書きかえられてんじゃねェ、コイツ(佐渡)が元老に提出した報告書がすでに真実ではないんだ。

「・・・なんだよ、射殺事件がきっかけに応援を頼まれたから兵を出したって!大嘘じゃねーか!」


ったく、何が目的でこんな嘘を・・・・・・、


・・・・・嘘?



"「東の内乱が起きましてね、随分と激しかったものですから・・・、」"



あれが嘘だとしたら?



「・・・・・・かなりやべェぞ、団長。」







続く

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ