あたしの団長サマ!
□あたしの来客7
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隊長の真の目的に気付き、早三日が経った。
「じゃあ行こうか。」
あたしは軍服を着せられ、傘を持って外に連れ出される。
「じゃあよろしくね、期待しているよ。」
小さな東の星全域を見ることができるこの"龍の塔"と呼ばれる高い塔に連れてこられたあたしは呆然とした。
・・・これは内乱なんかじゃない。戦争だ。
『・・・あたしが手を出さなくても虐殺状態になるんじゃないか?』
「・・・・・それじゃ意味がないんだよ。」
悲鳴や叫び声なんか聞きなれてるはずなのに、民家を焼いてゆく炎をみてると、あの日の絶望に溺れた良平の顔を思いだす。
『・・・・・残念な知らせがある。』
「なんだい?」
『虐殺の前に首をとりたい奴がいる。』
「・・・ほう。」
傘を構え、隊長と向き合う形になる。
殺し合い独特の緊張感と恐怖心と狂喜。
相手は殺しのプロだ。
あたしより強いだろう。
勝つ自信がない。
静かな睨み合い。
砂が混じった風が吹き、肌が少し痛い。
『悪いがあんたの邪魔をさせてもらう。』
「悪いけどきみには任務を遂行してもらう。」
ニヤリと唇で弧を描く。
冷や汗が止まらないのは気にしないことにしよう。
「『させねー(ない)よ。』」
戦闘開始の合図だ。
続く