きねんれんさい
□誰かを守るために僕は
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春生まれの11歳、病弱な弟を任され、両親に捨てられた。
3日前のこと。
・・・暑い、そのうえ弟の体調が優れない。
これ以上野宿はやはり弟の命に関わる。
どこか泊めてもらえるところはないだろうか。
人気の少ない小さな宿屋のドアを叩く。
『・・・あの、すいません。』
「あァ?お客さん?」
『・・・はい、泊めてもらえませんか、』
「・・・・・お嬢ちゃんさァ、ご両親はどこ?」
『・・・いません。』
「許可はとってるの?」
『・・・とってません。』
「じゃあだめだなァ、子供だけを泊めさせるわけにゃいかねェ。」
『・・・あのっ、じゃあ弟だけでも、面倒みてもらえませんか、病弱なんです、私は野宿でもなんでもするんで、一晩だけでいいんで、』
「なおさらだめだよ、病弱ならちゃんとお医者さんに行って診てもらわないと。」
『・・・・・・』
やはりだめだ。
これだから子供は不便。一人じゃなんにもできない。
『・・・そう、ですか、失礼しました。』
かるく頭を下げて宿屋を出る。
さて、どこなら弟をみてくれるだろうか。
そんなことを考えながら歩いていた。
「おぅおぅお嬢ちゃん、なにしてんの?」
3人組の侍が近づいてきた。
『・・・別に、歩いてるだけです、』
「なァ、そんなボロボロな服着ちゃってさァ、どうせ親に捨てられたんだろ?そんな弟ほっといて俺んとこ来いよ。」
『・・・弟と一緒ではだめですか、』
「だーめだめだめ。お嬢ちゃんにしかできねーことだもんなァー。」
・・・こいつら、ナンパ、かな。
弟を背中に背負ったまま腰にある刀を勢いよく抜きそのまま踏み込む。
「ぐはァァ!!」
3人の男は急所を外して斬ったのだが、それなりの出血のため倒れた。
刀を鞘にしまう。
ボロボロの服にさらに返り血が付着したためさらにボロボロになってしまった。
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