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□拍手お礼文
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小さくて殺風景な自室。
部屋の色はほとんど黒で構成されている。

ソファも、テレビも、本棚も、机も、椅子も、ベッドも、みんなみんな真っ黒。

そんな黒い風景の中、黒いマグカップの中にあるココアが白い湯気を出し黒の中に白を生み出す。



「ねー、先輩。」


にこにこと効果音がついてしまいそうなほどの笑顔で私の隣に密着して座る彼。
彼が私にくっつく度にぎしりとソファが軋む。


「ね、ね、つまんないよ。」


じゃれてくる彼を無視して、黙々と本の活字を追い、ページを捲る。




「・・・ふーん、無視するんだ。」


拗ねたような口調が可愛い。
普段が大人っぽいため(私より年下なのに)、こういう可愛い一面をみれるとなんだか安心する。

結局で言うと年上というプライドがまだ捨てきれていないのだ。


「返事くらいしてよ。」


『なに。』


「ねー、本閉じてよ。」


『いや。』



リュティーは一体どうしたというのか、という一文から大きめの声で私が読んでる本を音読し始める。

・・・どうにもつまらないんだろう。


私は読書を断念した。
本をぱたりと閉じると、途端に嬉しそうな顔をする彼。

ココアをぐいっと飲み干し、この部屋から白を消す。



「・・いいな、ココア。」


『飲む?』


「うん、飲む、」



ソファから立ち上がり、自分の分のおかわりと、彼のぶんを用意しようと右足を踏み出すと、突然後ろに引かれた。


ドサリ、というよりはゴツン、という勢いでカーペットに身体を放り出された。


なに、と文句を言う暇もなく唇を彼のそれで塞がれる。


最初は彼にしては珍しく、優しく包むようだったが、酸素を求めて口を開くとその隙を逃さずに彼の舌が私の口内に侵入する。





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