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□月に口づけ
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俺は今まで月は銀色に光っているのだと思っていた。

それは違うことに、最近気付いたのだ。



「・・・・・・ねぇ、月みたい。」

「・・・・はぁ、」


ぽつりと漏らした言葉に怪訝そうに顔を歪めながら相槌ちをうつ彼女。
そんなに反応するのが面倒くさいのだろうか。


「俺、月好きなんだよね。」

「・・・・はぁ、」


また同じ反応が返ってきた。
俺の言いたいこと、分かってるのかな。



「俺の言いたいこと分かるかい?」

「・・・・いいえ。」

「じゃあ、知りたい?」

「・・・・・・・・はい、・・・・すごく知りたい・・・・・・です。・・・・多分。」


すごく不本意そうだったのは見なかったことにしてあげよう。
俺は優しいから。そして、



「君が好きってこと。」

「・・・・はぁ、」


あり?またおんなじ反応だ。
何も感じないのかな?団長が告白してくれた!嬉しい!とかないのかな?



「月は銀色に輝くって思ってきたけど、どうやら俺の月は金色に輝くみたいなんだ。」

「・・・・へぇ、」

「もちろん君の綺麗な金髪のことだよ。今でも綺麗だけど、もう少し伸ばしたらもっと綺麗だよ。」

「・・・・へぇ、」


本当に反応が薄い子だ、なんて内心溜め息をついていると、彼女から話しかけてきた。


「・・・・それで、結局は何が言いたいんですか。」

「あり?ばれてた?」

「早くしてください、忙しいんです。」


じゃあ単刀直入に言うとしよう。



「キスしていい?ってゆーか、するヨ。」






月に口づけ

唇を離したときに見える彼女の微笑みは、月のように美しく儚い。

「・・・私が月のようだというのならば、団長が太陽かもですね。あなたの微笑みに照らされて、自分も光っている気がします。」


・・・もう1回、いい?





青空に口笛様提出。

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