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□俺様な彼
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「ほんとにおバカな子豚ちゃんでちゅねー。癖を無くさないと一回対戦した相手には負け続けちゃいまちゅよー。」
「て、てめ!バカにしやがって!」
「え、なになにもしかしてその可愛い子に負けた姿見られて恥ずかしいんだぁー。へぇー。」
「っお前こそなんだよ!モテないからって後輩連れてる俺にわざわざ構ってきてんのか?」
「はぁ!?あのね、」
言いかけたとき、後輩はまぁまぁと笑顔で宥めてくる。
なにその笑顔、うざいんだけど。
「喧嘩はやめてください。それに、ゲームに負けたって先輩は先輩です。かっこいいですよ。」
「だよなだよな!俺かっこいいよな!うわあ超優しい大好き!」
「ふふっ」
・・・なにこれ、なにこの流れ。
なにこの後輩。笑顔で良い子ぶっちゃって、これ確信犯じゃね?
ジャイアンなブン太の性格を把握したうえでいかに自分に好評価つくか計算して発言してない?なんて末恐ろしい女!
なんでこんな女の発言に乗せられてんの、なんでそんな笑顔でその女と話してんの、
なんでなんでなんで!
「おうおうなに黙っちゃって。悔しいの?言い返せないの?だったらその腹の周りの脂肪をどうにか「うるさいな!!」
我慢できずに怒鳴ってしまった。
ブン太も後輩も目をぱちくりさせてる。
もう知るか、思いのたけ叫んでやるぞ、
「ブン太だって脂肪だらけじゃん!男のくせに甘いもんばっか食いやがって!私にも分けてくれてもいいじゃんいつも一人占めしてさ!
つか大体私ってブン太のなに?なんで今日私の誘い断ったの?その女誰?
なんだよもうブン太のことこんな好きなのに、私だけなの?ブン太は私のこと好きじゃないの?じゃあなんで付き合ってんの?
ああもう意味わかんないクソクソ!あ、今氷帝のおかっぱの口癖言っちゃったじゃんどうしてくれんだよ全部ブン太のせいだばかぁもう嫌い!!」
私、何言ってんだろ。
途中から無茶苦茶だった気がする。
なんであのおかっぱ思い出してんの、クソクソ!・・・あ。
完全に気分を害した私はさっさと友人の待つ本屋に行くことにした。
ずかずかと大股で歩く私の肩を誰かが引いた。
「なに、今気分悪いのナンパなら遠慮するわ。」
「ははっ、ねえ君さっき格ゲー超強かったじゃん。俺と一緒にこれやんね?金は奢るからさ。」
「・・・ポップン?別にいいけど、ほんとに奢ってくれんの?」
「もちろん。」
なんかよくわかんないおにーさんとポップンすることになった。
なめるなよ、小学生の頃から日課は一人で格ゲーとポップンとそのへんの大人巻き込んでエアーホッケーだった私の実力を!
ゲームが始まる。
曲選択していいと言われたから十八番の曲を選び四倍速にする。
おにーさんも四倍速にする。
「そういや名前聞いてなかったよな?」
「話しかけないで私今すごく集中してるの。」
「ははっ。まあ肩の力抜きなって。」
なんだこいついちいちイラつくなあ。
なんでこんな余裕そうなんだ。
どうせできないから諦めて・・・・・・・!?
「・・・ふっ。なめてもらっちゃ困るな。俺は小学生の頃から日課は格ゲーとポップンなんだよ。こんなの歯ぁ磨きながらでもできるぜ。」
・・・なん・・・だと!?
なんだこの手さばきは!
くっ・・・、こいつ、侮れない!
へらへら笑ってるが相当の実力者だ!
「悪いが君には負けてもらうよ!」
「負けるのはお前だ!」
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