ある晴れた日の事


「結人〜」
「何?」
「髪切って?」

肩まである髪の一房を持ち上げ、笑いながら言う

「また?」

言葉自体は少し拒否気味で。
けれども、彼の表情も笑顔だ。

「うん」
「ってこの前切らなかったっけ?」
「だって、なんか飽きちゃって」
複雑な表情。きっと結人は気付いていないだろう。
ちょっとした少女の確信。
少女の中の結人は気付いていたなら、こんな事言えないだろうから。

「お前ホント飽きっぽいな」
「や〜結人のおかげで私のお財布マジ助かってるんだよね〜」

ふふふっと含みを持った笑い方。
結人には似合わないと言われたけど、気にしてはダメだと思鵜事にしている。

「結人だって助かってるでしょ?こんないいサンプル…もとい、カットモデルなんだから」
「まーそれもあるけど。たまにはなんか持って来いよ?」
「気が向いたら?」
「まぁそれでいいや」

カラカラと笑う結人。
その笑顔が、とても痛い。

ねぇ結人、気付いてる?
私が髪切るのはいつも結人が誰かと付き合ってからだって。

さすがに時期を空けたりとかはしてるけど

私、結人のこと好きなんだよ


なんて、結人には絶対言えないこと。

気付いてほしい。
でも、気付かないで?

矛盾だらけの心。

偽りだらけの思い。

だけど


「どうかした?」
「なんでもない」
「ホントに?」
「ホント。ほらいいから髪切る!」
「はいはい。わがままなお姫さまですこと」

やっぱり、結人がすき。

その笑顔が私のものでなくていいから、お願い


私に笑って?





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