銀魂短編物語

□一つだけの宝物
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銀「あー春だなー…」

細い目を上に向け終わらない空を見上げた

銀「暇だな…いちご牛乳でも買いに行くか」

よいしょと勢いをつけ立ち上がりコンビニへと足を運ぶ
もたもたとだらしない足を歩かせて横も見ないで真っ直ぐ見続けた

そして目的地であるコンビニにつきやっと目を横に向けた
その目には

"マヨネーズ"


銀(そういやー何してんだろなー…多串くん…)

アレ?っと目を見開き足が立ち止まる


銀(待て待て待て!俺!!なんで俺があんな奴のこと気にしなきゃなんねぇんだよ!
休みぐらいジャンプのことだけ考えさせろ…ってなんか仕事中多串くんのこと考えてるみたいじゃねぇか!!!)


顔を赤くしてムッとした表情を浮かべたあと大きなため息をついてパック型のジュース売り場に向かう


銀(お、あったあった)

銀時は目についたいちご牛乳に手をつけた
それと同時に隣からいちご牛乳に手をかけようとして銀時の手の上に重ねてしまった




土方十四郎だ。
土「テメーは…万事屋ー…」


いつもながらにタバコを加え瞳孔が見開く



銀「あ、あれぇ?多串くん。また珍しくいちご牛乳飲むのかよ:」



重なった手を振り払いそう問いかけた

土「あ、あぁこれは俺のじゃねぇ」



銀「あー!!!そうー!!!」



銀時は大きな声で言い自分でも何言ってるかわからなくなった



土「え、は?何…「やべっ!!仕事があんだわ!!!じゃぁなっ」



土方の言葉をとぎらせレジにいちご牛乳代を置いて走り去った


家の近くまで走ったが足が重く立ち止まる

銀「ハァハァ…あーチクショッ俺やっぱりアレだな…」



独り言を言いながらまた同じ空を見上げた



銀「俺…多串くん好きだわ…」


 「誰が多串くんだ」


その聞きなれた声が銀時の頭に響く


銀「…多串く「土方」



次は土方の声が銀時の声をとぎらせる

その言葉と一緒に土方は何かを銀時に手渡した


銀「これ、いちご牛乳?」



ちょっと苦笑いで2つのいちご牛乳を抱えていた



土「みりゃ分かるだろ」



銀「あ、そっか。さ、さんきゅー多串くん…」



あ、と思い銀時は口をふさいだ
そこへ頭を抱えて土方が近づく
そしてふさいだ銀時の手を掴み唇を重ねた





数秒のキス。





土「土方十四郎だ」



そう告げて去ってゆく姿は銀時にとって大きく愛しかったあれから時間はたち
銀時は万事屋でくつろいでた



銀「おい駄眼鏡いちご牛乳取れ」



新「何でちょっと反抗期になってんだよ!八つ当たりしないでください!!」



そう言いながらも気のきく新八は冷蔵庫をあけて2つあるいちご牛乳の片方を取り出す



銀「あー待てそっちじゃなくてもう一個の方」



新「別にどっちでも良いじゃないですか」



新八のイライラした表情は銀時に向けられる
だが銀時は新八を見ずにいちご牛乳に目を向けて口を開いた











銀「それは俺の宝もんだ」

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