洸賢の部屋

□待ってろ
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いきなりなんなんだろ…なんて、頭に疑問符を浮かばせれば洸兄は真面目な声で、

「声、震えてるし…風の音がする」

「え……」

なんて言い出して、そういう事かと納得すれば正直に言ってしまおうかと思う

何時だって、敵わないんだ

「えと…洸兄の家、の前」

言ってしまえば鼻を啜り冷たくなった手をポッケに入れて、暖まるのを待つ

「えっ!?鍵掛かってるでしょ?ちょっ…そこ動くなよ?絶対すぐ行くから!」

待ってろ

慌てた声に少し驚くも、走ってるのかそんな気配がした

「うん…」

取り敢えず頷いて、帰りを待つ
良い子だ、と通話をきり携帯をポケットに入れ来るのを待つ
あんなに慌てて急いで、それだけで嬉しくて、暖かい

待ってるから、早く来てとドアの前に座り込む
来たら思い切り抱き着こうと楽しみにしながら…


早く来て、暖めて?





(次の日の贈り物を、俺は知らない)



+END+
それは銀色に光る、証
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