洸賢の部屋
□悩みのち…
1ページ/5ページ
例えばそれは蕾のような
「はぁ…」
賢吾は朝からこんな調子で溜め息ばかりついていた
1人屋上に風を感じ目を閉じる
何故悩むのか、多分それは本人が一番分かってる
幾ら馬鹿でもそれくらいは自覚するのだ
思うのは、年上の黒髪の…
「洸兄…」
ボソリと小さくその名を呼ぶ、昶にも綾にも一応打ち明けた
かなり相談にものってもらった
でも、悩みは尽きぬものである。想えば想う程溜め息が出る
「帰ろ…」
立ち上がりその場を離れて下に降りる
放課後の少し曇天な空を見上げて、考えながら歩けばふと立止まる
+