イタくしないで

ありきたりな話し




そっと頬に手を添えて、怖がらせないように微笑む

「ほら、大丈夫だよ。口開けてごらん?」

「や、やだ…」

賢吾はすでに生まれた痛みに涙目になりながら、フルフル首を振る
その姿に苛めたくなる気持ちを押さえながら、額に口付ける

「ね…痛くしないから」

「ほ…本当…?」

「うん、だから口開けて」

怖々と賢吾が口を開けば、閉じさせないように親指を口に入れる
キュッと恥ずかしさに目を瞑り袖を掴む

「んぅ…」

「そう…もっと開けて」

「ぁ……」

涙が滲みながら、言われるまま口を開く

「ん…良い子だね」

そっと、顔を近付ける











「ほらやっぱ有ったじゃん!!虫歯っ」

「い、ひゃい―!!」

見つけたのは奥歯にある1つの虫歯
痛むのを堪えていたのを問いただしやっと確認できたものだ

「明日歯医者行こうね」

「グスッ……う―…」

よしよしと頭を撫でながら、泣き付く賢吾を不謹慎にも可愛いと思った洸だった


(あぁ泣き顔さえ可愛いなんて!!)

+END+
ほら、はたから聞くと何してんだお前らみたいなありがちな話しに…したかったんですぅっ!!!


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