BOOK

□咎狗
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そいつは...

汚れの無い綺麗な目をしていた...

バ-で初めてそいつを見た時から思っていた。

だけど、どこか懐かしくて...
気になって仕方がなかった。

何度かバ-を訪れているうちにそいつは声を掛けて来た。なんて好都合なんだ...

俺は無意識のうちに胸を高鳴らせた。


「おまえ...」

「なんだよ?」

だけどわざと冷たい返事をしてやった。

どうやら俺が集めた情報によるとそいつはアキラと言うらしく、まだイグラに来て間もないらしい。

「フン....もういいかよ?」

「..................っ」

アキラは不機嫌そうに何も言い返せない様子でユキヒトを睨んでいた。これが俺たちが最初に交わした言葉だった。

アキラはまだ知らない。

アキラと俺がずっと昔に交わっていたことを...
あの孤児院でのことを...
あそこで行われた研究を...

俺は運命を憎んだ...



ー始まりなんて所詮ー

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