オリジナル小説

□ピースオブラブ
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「今日もあの人居るかなぁ…」

私は春野苺。
イチゴと書いてマイと読む。
只今、完全片思いの真っ最中な22歳。
美容師のアシスタントとして、日々忙しい毎日を過ごしている私には恋愛に時間を割いている暇は無いのだが、完全に一目惚れをしてしまった。
片思いの相手は、私が通う美容室の近所にある、とあるボウリング場の店員さん。
実は私が働く美容室は、駅前から連絡通路がずっと伸びていて様々な場所にアクセス出来る。
そのボウリング場も連絡通路に面しており、いわばご近所だ。
私はいつも、出勤の前に煙草を吸いにこのボウリング場で一服をしていた。
その日も、いつも通りの日常が始まり、いつも通りの日常である一服をしに、ボウリング場に足を運び入れたのだった。
スタッフの顔も見慣れているはずの、ボウリングもしない常連の私が見た事の無いスタッフが居た。
お客さんが居ない時間でも、フロントと事務所を行き来して、慌ただしく働いている。
一見真面目そうに見えるが、髪は綺麗な茶髪で、かけている眼鏡がより一層大人っぽさというか、クールな、いわばデキル男を演出している。
何より、お客さんと話している元気な姿と、爽やか過ぎるぐらいの笑顔を見てしまった私はイチコロという訳だ。
本当は禁煙しようとしていた私だが、その日以来禁煙をしようと思った事は一度も無かった。
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