青い春〜短い夢〜
□きみに
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「先輩」
声に振り返る。
忍足がキラキラと目を光らせる。ぶっちゃけじゃま。
「出掛けますよって」
「は?なんでやねん」
「……昨日約束したやないすか」
「…ああ!」
昨日、急に、あの財前が、なんかおごったりますわ〜、って。あの財前がやで!?
「と、いうわけで、はよしてください」
「ん〜」
忍足がいいな〜、って言ってるのをよそに、財前と歩きだす。
「なに食べます?」
「財前が決めてええよ」
「…あ、じゃあ。」
行きたい所があるのか、財前は歩みを進める。
あたしも急いで早足をするが、こけそうになり、財前に鼻で笑われた。
「先輩に対する在り方か」
「危なっかしいすわ〜。……ん」
少し赤くなりつつ、手を差し延べる財前。
あたしが首を傾げていると、財前はあたしの手を握った。
は?いきなりなんやねん
「ほら、行きますよ〜っと」
「あたしは小学生とちゃうわ!」
ははっ、と笑った財前にときめいたのは秘密や。
この後、財前にぜんざいをおごってもらった。
…なんでかはわからんけど。