永遠の花〈運命後長編〉

□永遠の花 7
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男に連れて行かれた所は工場の跡地の様な所だった。


そこには男も女も、ナチュラルもコーディネーターも関係なく、何人もの人間が生活をしている様だった。



「俺はケンだ。ケン・アズマ…お前、名前は?」


「…」


別に警戒してた訳じゃない…何もかも面倒だった。
ずっと頭が真っ白でその問いに答えようとも思わなかった。

「ここにいる連中は皆帰る家がないんだ…共に生きる大切な人を喪ったやつばっかりだ…お前も行く所がないならここに居ればいい…」
そう言ってポンと肩を叩いて悲しげに笑った。

あぁこの人も大切な人を亡くしたのか…頭の隅でそう思いながらも何も言葉は出て来なかった…

まるであの金色の少女に出会う前の自分に戻った様だった。
どこか他人事の様に頭の隅でしか物事を考えられない。
もし今、あの金色の少女にもう一度会えたなら…自分はまた大切な人に出逢えるのだろうか…

そう思ったら涙が溢れ出てきた…
胸をしめるのは親友と恋人…
そんなはずはない…大切な人など自分にはあの二人だけ…

例えあの少女に出逢えたとしても二人は帰ってこない、自分がそれ以上に想える人などいるはずがないと頭をふった…
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