永遠の花〈運命後長編〉

□永遠の花 2
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中立国オーブ、かつて理念を曲げ連合に属した。
終戦後3年がたった今カガリ ユラ アスハによりやっと中立を取り戻した。
しかしまだ安定しない世界では不安材料も多い。


「失礼します。代表オーブ全土の復興資料とキサカ准将よりプラントとの会談資料を預かって参りました。」

「ああ、ありがとうザラ准将」

書類の束を受け取っても退室しようとする気配がない。

視線を感じても無視して書類に目を通す。

大戦後メイリンとプラントへ戻るだろうと思っていたが、アスランはオーブに残った。
キラがラクスと共にプラントへ上がった為か…わからない…考えない様にしていた。考えてはいけないと…

あの日指輪を外したのだ…強く有りたいと願い、涙した。
想いが消える事はなく、まだ胸にある…封印しなければならない、誰にも悟られてはならないのだ。

「代表、プラントに上がる際は私が護衛任務につく事になりました。」

ふと声をかけられ思考が停止する。

なぜ…と…

頭の中で警報がなる。近づいてはならないと。
それでも平静を装い言うしかないのだ。
「ああ、宜しく頼む」

それを聞きとどけアスランは執務室をあとにする。


重い扉を挟み深いため息を落とす。
カガリも…
そして…アスランも…


カガリが自分を見なくなってから、アスランはまだ時ではないのだと自分に言いきかせてきた。
カガリの望む世界も自分が望む世界も同じなのだ。
誰もが手を取り合える未来を…その為にやるべき事があるのだ。

カガリにも譲れぬ想いがあるのだろうとアスランもわかっていた。

だが自分にも譲れぬ想いはあるのだ。

二度とカガリの側を離れないと…
例えカガリが自分を見なくても…

護ると…誓ったのだ。
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