永遠の花〈運命後長編〉
□永遠の花 4
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残務処理をすべく慌ただしく業務をこなしているうちにあっというまにプラント訪問の日を迎えた。
「ではキサカ、あとの事は頼んだぞ。」
「はい、代表もくれぐれもお気をつけて下さい。」
「大丈夫だよ、ザラ准将がこれでもかって位警護を厳しくしてるからな。」
普段から考えるとあり得ない程の警護体制に苦笑する。
「では行って来る。」
カガリに続きアスラン、他のSPもシャトルに乗り込む。
宇宙に上がり地球を見ると否応なしにまだ無邪気に笑えていた頃を思い出す。
辛い事もあった。
父を亡くし、自分が父の本当の子供ではない事も知った。
それでもあの頃は確かに自分は自分であった。
アスランに甘え過ごしたあの2年間であっても…
「戻れるものなら…」
密やかに呟き警護の打ち合わせをしているのだろうアスランを視界の端に映す。
すぐに瞳を閉じ唱える。
殺せ…カガリはもおいない。
必要なのはアスハのみ。
まるで呪詛の様に唱える。