永遠の花〈運命後長編〉
□永遠の花 7
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戦争が終結し、何もかも無くした俺は生きる気力も、何のあてもなく街をさまよっていた。
崩壊したビルの片隅で何をするでもなくただ座っていた。
終戦直後はそんな人間は沢山いた。
誰もが自分の事が精一杯でわざわざ声をかけて来る人はいなかった。
そんな時に声をかけられた。
自分に声をかけて来る人がいるなんて思っていなかった。
「お前最近よく見かけるな…」
「……。」
「帰る家…ねえのか…。」
「……。」
何も答えず視線はただ宙を泳ぐ。
「坊主、お前一緒に来い。」
強引に腕を引かれ連れていかれた。
何も感じなかった。警戒心も…何も…
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