短編

□いいんじゃない
1ページ/2ページ

「騙されたっ!!」

「どーしたんよ、その格好…」


教室に入るとメイド服姿の丸井ブン太。
後ろから声をかけると、驚いたように振り向いた。


「なッ、何でここに居るんだよ!」

「何でって、私このクラスなんだけど。
 で?何でメイド服着てんの?」

「仁王に騙されたんだよ!文化祭の出し物が何とか言って!!」


メイド服だぜぃ?ありえねぇだろぃ!と騒ぐ丸井。
それに合わせて可愛らしいレースがふわふわ揺れる。


「第一、男の俺が着て何が楽しいっていうんだよ…」

「丸井は顔良いしねぇ。一部の女の子が喜ぶのは間違いないと思うよ」


私を含めて、ね。


「まぁ、似合ってんだからさ、いいんじゃない?」

「よくないっっ!!」




数日後、メイド服を着た丸井ブン太の写真が、女子の間で出回ったのは別の話。
次へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ