短編
□いいんじゃない
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「騙されたっ!!」
「どーしたんよ、その格好…」
教室に入るとメイド服姿の丸井ブン太。
後ろから声をかけると、驚いたように振り向いた。
「なッ、何でここに居るんだよ!」
「何でって、私このクラスなんだけど。
で?何でメイド服着てんの?」
「仁王に騙されたんだよ!文化祭の出し物が何とか言って!!」
メイド服だぜぃ?ありえねぇだろぃ!と騒ぐ丸井。
それに合わせて可愛らしいレースがふわふわ揺れる。
「第一、男の俺が着て何が楽しいっていうんだよ…」
「丸井は顔良いしねぇ。一部の女の子が喜ぶのは間違いないと思うよ」
私を含めて、ね。
「まぁ、似合ってんだからさ、いいんじゃない?」
「よくないっっ!!」
数日後、メイド服を着た丸井ブン太の写真が、女子の間で出回ったのは別の話。