『招き猫縁起物語ムーパ版』

その昔、江戸の世田谷村に豪徳寺という寺があった。しかし、世田谷城主だったパトロンの吉良氏が没落し、寺はさびれる一方であった。この寺の住職は「たま」という猫を大変に可愛がって飼っていたそうな。

住職は愛猫「たま」の頭を撫でて、『このままでは寺もつぶれる。お前とも別れなければならなくなるだろう。たま、野良猫になっても悪事だけは働かないでおくれ』と言い聞かせた。 たまは、住職のその言葉をしんみりと聞いていた。

その頃、三代藩主の井伊直孝が家来達と寺の前を通りかかった。すると、急に雨が降りだしたので一本の大木の元で雨宿りをしていた。

直孝は、寺の門前に一匹の猫がいるのを発見。猫は直孝を見ると、右手を耳の上まで上げて、おいで、おいでをした。

『寺の門で猫が手招きしとる。何かの縁じゃろう。寄っていこう。』と考え、寺の門に入っていた。

その途端、井伊直孝らが雨宿りしていた大木に落雷し、彼らは命を救われた。

その話を聞いた住職は、直孝らに仏の御利益や三世因果の説法などをした。

直孝は大へん喜び、「今、猫に招かれて、雷雨の難を免れ、貴重な法話が聞けた。これ何かの因縁だろう。これからも参拝にまいろう。」といって、雨もやんだので立ち去っていった。

これがキッカケとなって、豪徳寺は井伊家の菩提寺になって厚く保護され、それはそれは栄えたとか。

猫が天寿を完うしたのち、住職はこの猫『たま』手厚く供養し、江戸っ子がその話を聞いて、猫を縁起物として神棚に置くようになったとか。

恐るべし!ぬこ(゜゜;)

今でも豪徳寺はあって参拝(-人-)できるにょ。猫観音があるらすい(^o^)

最寄り駅は東急世田谷線宮坂駅か小田急小田原線豪徳寺駅。

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