Dream
□暗号
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「おはよー」
「名無しさん!もう平気なの?」
「もう大丈夫!」
2日ぶりの学校。テスト前という大事な時期に休むなんて絶対したくなかったけど、高熱だったからしかたない。
(授業おくれたなー…)
誰にもノートとっておいてなんてテスト前だから言えなかったし、ノート貸してなんてもっと無理。
最悪。
くよくよしててもしょうがない、カバンから教科書を取り出し机の中に入れようとする。
「ん?」
机の中からはみ出しているルーズリーフ。しかもかなりの枚数。
一枚一枚見ていくと、休んでいたぶんの全ての授業内容が書かれていた。
(きれいな字…しかもこんなに沢山)
テストにでる場所とか気をつけることとか、先生の説明よりわかりやすく書いてあると思う。
テスト前、こんな時期になんて優しい。
お礼を、と思ったけど名前は書いてない。一番最後に、よくわからない…暗号?みたいなのが書いてあるけど解読不可能。
どうしようか、と考え机を覗くともう一枚ルーズリーフが入っている。
(これ…何だ?)
取り出してみてみると暗号みたいなものの解読表が入っていた。
(暗号?…暗号……これかな?)
先ほど見つけた解読不可能の暗号。その暗号に似ている、というか同じ。
しかし、何で暗号なんだ?
少し、面倒だけど一文字一文字解読していく。
(さ……し?…ん……は…いや、ぱ?……い……か?)
読み解くこと数分。すべての文字を解読する事ができた。
(えーっと…しんぱいかけんなよ?…心配かけんなよ、バカ…)
えっと、何これ。バカって書いてある…じゃなくて、
ぶっきらぼうな言葉、それで勉強ができる…
(もしかして、)
ハッとして獄寺の方を見る。私と目が合うと慌てて目をそらした。
上昇する体温。心配かけんな、その言葉がとっても嬉しくて恥ずかしくて。
暗号
(あなたの心、解読していいですか?)