Dream

□体温上昇中
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「さっむい…」



季節は冬。真冬。
ただいまの時刻、朝の7時半。こんな早い時間に誰も学校にいるはずがない。けど、今日は私がいる。1人でいる教室はいつもより広くていつもより寒い。

本来だったら、家で朝ご飯を食べているか食べ終わっているかくらいの時間。ゆっくり朝ご飯を食べてココアを飲んで……なんて考えていた昨日の夜。
宿題をしようと鞄を開けたら、放課後配られたはずのプリントが入ってなかった。その時の時刻、午後10時。もちろん学校は閉まっているし、取りにいけるはずもなかった。…チキンなんで。

だから今、こうしてプリントの問題を解いている。



「(この二次関数のグラフの頂点……は、これだから……)」



あともう少しで終わり、そう思って時計を見上げる。まだ7時40分をすこし過ぎただけであった。



「早く来すぎたな………ん?」



微かに聞こえる足音。みんなが登校してくるにはまだ早い。先生が歩くときに聞こえる足音とは違うみたい。生徒だとしたらどこのクラスの人だろうか。

足音は自分のクラスの前で止まった。ドアを見ていたらパチリと目が合った人物に少しびっくり。相手もこちらに気づいたらしく、ニコッと笑ってドアを開ける。



「はよっ!」


「おはよー。ずいぶん早いね」


「名無しさんもな。…宿題か?」


「うん、昨日学校に忘れちゃって。山本は?」


「今日は早く目が覚めたから、ジョギングしながら学校来たのな。熱くないか?ここ」


「いや、私は寒いよ。」



そーか?、そう言いながら私の隣の席に座り(獄寺の席だよそこ…)ブレザーを脱ぎワイシャツの袖を捲った山本。



「…寒くないの?」


「全然!」


「本当に〜?私なんかまだ手が冷たいのに」


「んー…じゃあ、」



突然、ペンをもっていない方の手を山本の両手で包み込まれる。



「うっわ!冷たっ」


「…!」



…驚きすぎて言葉がでない。

どうしたらいいのかわからなくて固まっている私をよそに、山本は私の手にハーッと息を吹きかけ始めた。



「っ!」


「こうすれば暖かくなるのな!」



あなたのせいで、


手だけじゃなくて


顔も体も熱くなります






体温上昇中

(天然のこういうとこに、ドキドキするの)

(毎日名無しさんに、こうやって出来たらいいのに)


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