Dream
□萌え系妹系
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コンクリートの建物で埋めつくされれ、ライトアップされている深夜の新宿。
だだっ広いマンションに突如鳴り響いたチャイムの音。
「あら、誰かしら」
深夜に鳴るチャイム音に眉をひそめる波江。
「出てよ」
「…はいはい」
すっとデスクから立ち上がり玄関に向かい扉を開ける。
扉を開けると、少し大人びた女の子が立っていた。
「こんばんは」
「名無しさんじゃない…どうしたの?」
「折原さんにお話しが」
どうぞ、そう言って部屋と進む波江について行く。
「いらっしゃい、名無しさん。やっとここで働く気になった?」
くるっといすを回転させ、こちらを向いた折原臨也。その顔にはムカつくくらい爽やかな笑顔が浮かべられている。
デスクに駆け寄りバンッとデスクを両手で叩く。
「いい加減にしてもらえませんか。池袋に来ては静兄(しずにい)にちょっかい出すの!」
「怖い怖い!てか、喧嘩を吹きかけてくるのはシズちゃんだし」
「だから、池袋に来ないでください!!静兄機嫌悪いと大変なんだから…」
「ここに寝泊まりして働いてくれるなら考えるよ」
だめだこいつ、そう思いデスクから離れて勝手にソファーに座る。ナイスタイミングで波江さんが紅茶を運んできてくれる。
「…波江さんが居るんですから、私はいらないんじゃないんですか」
「やだなぁ、名無しさん」
そう言うと、折原さんはソファーに移動して私の隣に座った。
「今の、告白」
スルッと私の肩に腕を回す。…近い。体くっついてるしかなり近い。
「…からかわないでください。その前に、私がここに住み着いたら静兄が乗り込んでくると思います」
「それは困るなぁ」
笑顔で答えた折原さん。
この人の冗談と本気、全然読めない。
と、突然、折原さんが私の肩に回してていた腕で、私を抱き寄せた。
「…じゃあ」
「ひゃっ…」
耳元で囁くように話された。吐息が耳にかかり、何ともいえない感覚が私を襲う。
「可愛くねだるなら、しばらく池袋に行かないであげる」
「や…め、」
一刻も早くこの人から解放されないとやばい。さっきよりももっと耳に近づいて、微かな声で話しかけてくる。
と、ある考えが1つ、頭の中に浮かぶ。
危険だけど一か八か、やるしかない。
そっと折原さんに体を寄りかからせる。
「お願い…これ以上、町で暴れる静兄を見たくない…」
どっから出てるんだろう、この声。普段とは全く違う、高い声でそっと話す。
「お願い、もう誰も傷つけないで……………
臨兄…」
臨兄。そう言った瞬間、折原さんの体が固まるのが分かった。チラッと顔をのぞいてみると、多分この先見られない赤面の折原さん。
直ぐに私に回していた手で自分の顔を隠した。
「…2ヶ月」
「え?」
「2ヶ月は行かない、池袋」
「ありがとう…!…臨兄」
「…っ!」
意外な弱点、発見です!
萌え系妹系
(狩沢さん!狩沢さんの言ったとおりでした!!)
(やっぱり!いざいざに若干変態キャラ入ってるのは本当だったのね!)
((この人…性癖危ないわね))((…一枚上手だったなぁ、名無しさん))