Dream

□過去拍手 雲雀
1ページ/2ページ



私の代名詞。不器用、女男、ドジ。
男子とはよく喧嘩もするし、それで勝っちゃったりもするけど…

でも、私だって一応女。


恋する乙女なの。



(えっと…もしよかったら、食べて下さい…)



並中、放課後、オレンジ色に染まってる(のかな?)教室…じゃなくて応接室、のドアの前。



(初めて作ったんで、お口に合わないかも、しれないんですけど)



初めて見たときから、ずっと気になってた。綺麗な黒髪、鋭い目、凛としてる背筋。友達には恋してるなんて言ってない。と言うかいえない。



(…受け取ってく…れたら、嬉しい…です。…よし)



全部初めてだった。
チョコを作るのも恋をしたのも。
…こんなにドキドキしてるのも。



「…あの、失礼してもいいですか?」



ドアをノックして挨拶。
声、すごい震えてる。



「何?」



「し、失礼します!」



ドアを開けて中に入る。
デスクで仕事をしてる雲雀さん。
パチッと目が合い、顔に熱が集まる。



「あの、これ…初めて作ったんですけど、」



震える手でチョコを差し出す。



「ふーん…そう」



「えっと…私……好、しゅきですっ!」



…何?私、今、何言った?
…こ、くはくしちゃった?…その上噛んだ?



「…ふっ」



やだ、雲雀さんすごい肩震えてるし。
たぶん、頭のてっぺんから爪先まで真っ赤。



「失礼、しましたぁ!」



急いで応接室の外に出る。



「何やってんだよぉ…」



ドキドキ、失敗した初めてのバレンタイン。



バレンタイン



(あ、名前言うの忘れた…!)

(あの子、どこのクラスなんだろ)
次へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ