Dream
□折原臨也誕生日
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「嫌です」
「は?」
「は?じゃなくて嫌ですよい・や」
うわお、超睨まれました。
何でゴールデンウイークなんかに、しかも日が傾いてきた頃行かにゃならない。どこもかしこも超混んでいるだろうこんな日にハンズに行ってこいだって。
「死んでまえ。あ、間違えました、死んでください」
「君がハンズに行ってきてくれたらね」
じゃあ行ってきます、って言ったらまた睨まれた。
「そもそもなんで行かないといけないんですか」
「ボールペンのインクが切れてね。新しいのを買ってきて欲しくて」
「自分で行ってくださいよ!と言うかボールペンくらいどこででも買えるでしょ」
「このボールペンがいいんだよ!この書き心地がたまらなくてね!・・・それに、シズちゃんに会ったら買い物どころじゃないからね。そうそう、ほかにも頼みたいものがあるんだけど」
渡されたリストの中にはコピー用紙や書類系の紙、しまいには日用品まで書かれている。
「通販にしてくださいよ。・・・ったく」
「今すぐ必要なんだよ」
「あなたきっとろくな死に方しませんよ」
それは本望だ!って言いながら椅子に座ってくるくる回転してる彼は確実に変態だ間違いない。
「それより、私今日用事がるんです」
「へぇ?俺のお使いより大事な?」
「そりゃもう、桁違いに」
「へぇ・・・?」
「そうだ臨也さん。さっき宅配でこの前頼んでた本が届いたんで冷蔵庫で冷やしてあります」
「・・・全くもって訳がわからないんだけど」
要冷蔵なんですよ、今時の本って。って笑ったらナイフ向けられた。本当に殺られるかもしれないと思ったのは今週に入って5回目。
「君さぁ、秘書の役割わかってる?俺に手間かけることを仕事だと思ってない?人間はみんな大好きだからね、化物でもない限り嫌いにはならないけど、さすが・・・に」
「臨也さん、私が本気でそんなアホなことすると思います?」
「・・・素直じゃないよね、ほんと。全然可愛くない」
手作りケーキなんて作ったことも作ろうと思ったこともないけど、やっぱり、不格好になっちゃったけど。
運び屋さんが臨也さんを呼び出してしばらく自宅を離れさせたように仕向けたのも私でもちろん、本の宅配は冷蔵庫なんかじゃなくて床下にしまってある。(正しいよね、私)
臨也さんの不服そうな顔が少しほころんだ。してやったり!
「ハッピーバースデー!臨也さん!!」
(ケーキ作って運び屋まで使って・・・盛大だね)
(ほんとは静雄さんでもよかったんですけどね。誕生日パーティーやる前に、臨也さんが流血するか私が殺されると思ったんで止めました)
(それは懸命な判断だ)
(それで、どうですか?びっくりしました?嬉しいですか?)
(・・・明日、買い物でも行こうか)
(臨也さん大好き!)