Dream

□恭弥くんの苦手なもの
1ページ/1ページ




「恭弥!次あれ!」



「はいはい、分かったよ」




久しぶりの名無しさんとのデート。
って言っても、今までまともなデートしたことないけどね。
遊園地に行きたいってあまりにも騒ぐから、せっかくの休みを返上してまで来たんだ。




「名無しさん、さっきからグルグル回る乗り物しか乗ってないよ」



「三半規管強いから大丈夫なの」




三半規管とかそーゆー問題じゃなくて…
もうそろそろ飽きたんだけど。




「じゃあねー…あれは?」



「…………………あれ?」




あれって、あれ!?
ものすごい高さまで上がるあれ?
ものすごい角度で落ちるあれ?




……まさかのジェットコースター?





「どうしたの?…あ、恭弥怖いの?」



「そんな訳ないでしょ」




なんて言ってみたけど、心臓ばくばくだよ。




「じゃ、早く行こっ」



「………(本気なんだ)」




ジェットコースターに乗るために順番待ちの列に並ぶ。
あれ?おかしいな。どうしよう、足が震えてるみたいだ。




「ジェットコースターなんて久しぶり!」



「…………(今ならまだ引き返せるかな)」



「あの落ちるまでのスリル感!なんとも言えないよね〜」



「…………(でも、引き返したりしたら僕のプライドが…)」



「まだかなー」



「…………(どうするべきだろう…)」



「恭弥!順番来たよ」



「え?」




乗るか乗るまいか考えていたらいつの間にか順番がきた。

ワォ…しかも一番前だって。
どーすんの、僕。





恭弥くんの苦手なもの


(ねぇ…涙目だけど大丈夫?)

(…今話しかけないで…)

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ