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□二点減点、態度がなってない
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だから、私は好きでここにいるんじゃないし。折原臨也の助手とか知らないし。
「どう?仕事もなれてきた?」
「…これはあそこの棚に入れておきます。棚の上から二番目、右から三番目の引き出しに昨日頼まれた重要書類が入ってます」
「完璧だね。後さぁ、コーヒー入れてもらってもいいかな?」
よし、ようやくこのうざい(しかし爽やかな)笑顔にもなれてきた。
ここで働き始めて三日目。まだ半分以上の日が残っていると思うと目の前が真っ暗になる。と言うか、一週間で帰してくれるとは限らないなぁ…。
台所へと向かいカップを1つ手に取る。新宿の有名なコーヒーショップ、美味しいと評判のブレンドコーヒーをカップに注ぐ。
「ああ、ありがとう」
「わ た し の コーヒーです」
「…少し敬意を持て」
折原臨也に、私が、コーヒーを入れるわけ無い。ソファに座りコーヒーを飲む。濃い味で私好みのコーヒー、疲れた身体にはちょうどいい。ふと時計を見るともう夕方の五時だった。
「どう?俺が選んだコーヒーは」
「美味しいです。入れる人がいいんで」
テーブルを挟んで向かいのソファ、自分で入れたコーヒーを手にソファに座った折原臨也。
「うん、美味しいね。名無しさんが入れてくれた方が美味し」
「美味しいでしょうね」
どういうつもりで冗談を言っているのか全くわからない。
折原臨也に目を向けると、この状況を楽しんでますみたいな笑顔を浮かべる折原臨也と目が合う。私はただ貼り付けた笑顔で返す。
「…名無しさん、」
「はい」
「たまには夕飯作ってよ」
「…はい?」
突然すぎて先ほどの笑顔のまま2人の間に数秒の時が流れる。
微妙な空気が流れる中で、先に沈黙を破ったのは私だった。
「臨也さん、ふざけてるんですか?」
「俺はいつでも本気だけど?」
だめだ、笑顔で…だめだ。
自然に眉間にしわが寄る。
「何で私が…」
確かに、いつもは折原臨也にお金をもらって外出に行ったり、折原臨也が買ってきた物を食べたりしてる。なぜかこいつと2人で。
別に料理が作れないわけじゃないけど、てか上手いほう「もしかして、料理できない?」
「…できますっ!」
「じゃあ、よろしく」
「はぁっ!?ちょっと…!」
もう、早く死ねばいいのにこいつ。
二点減点、態度がなってない
(何か、真っ赤じゃない?)(#NAME1###特性韓国風チゲ鍋です)(…俺を殺すつもり?)(あながち間違ってないです)