Book 大好きな君へ

□love song...]V
1ページ/2ページ


胸の鼓動が聞こえる。
高らかに、激しく私を満たす。



「久しぶり、だね」



うまく、喋れているだろうか。
顔は、笑っているだろうか。



「ああ…そうだな」



でも、今思い返せば、私は自分しか見えていなかった。ううん、見てなかった。


こんなにも、私はバカなの。



じわり、と高く昇った太陽が私たちに照りつける。
フェンスに寄りかかっている獄寺の隣、少し距離をとって私もフェンスに寄りかかる。




「…雨を見るたびに」



雨を見ると、あの日を思い出す。
獄寺の、暖かいぬくもり。雨の匂い。かさが落ちた音。




「私は、自分の気持ちに嘘をつけなくなってた」



思いは、募る。
未来のことも、考えず。




「……」




あなたは、

何を

思っているのか。
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ