Book 大好きな君へ
□love song...]Z
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「おは、よ」
うまく、笑えてるだろうか。
少し驚いた後、おはよう、と短く返してくれたツナと山本は自分の席へと向かった。
花と京子はおはよう、と言ったあとに大丈夫?、と付け加えた。笑ってありがとうと返したが、やはり2人も自分の席についた。
4人だけじゃない。他の人もたどたどしい。
「名無しさんがさ…」
「あ、あれでしょ…」
コソコソと話すクラスメイト。普通にしてるつもりなのだろうか。
「(丸聞こえだし…)」
でも、噂になるのはしょうがない。私はそれでも恭弥さんを選んだのだから。
「でもさぁ、名無しさんさんて…」
「絶対に獄寺くんのこと好きだったよね…」
「…どうして雲雀さんと付き合ってるわけ?てか付き合えるわけ?」
「調子いいよね…」
登校してくるクラスメイトが増えるにつれて、声もだんだん大きくなっていく。
本当は、つらい。
自分のしたことはみんなが言うように調子のいい行動だった。だからここで逃げたら、自分のしたことから逃げることになる。
会話が聞こえないように必死に勉強をしようと教科書を開く。
それでも、耳が勝手に音を拾う。