Book 大好きな君へ
□love song...]
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俺は、何をしてるんだろう。
あいつを見たとき、体の血の気が引いた。
…俺は、自惚れていた、だけなのか?
−「委員長」−
あいつの声が、笑顔が、俺の頭を支配する。
「クッソ…!」
やり場のないこの思い。
どうして俺はあの時、何も出来なかったのだろう。
「名無しさん、」
つぶやいた言葉は、タバコの煙と共に空に消えていく。
(そもそも俺は、)
そもそも俺は、気持ちをただ伝えただけだった。
あの言葉は、伝わったのか?
「なにひとつ、できてねぇな」
俺は、優越感に浸ってただけだ。
今まで、欲しいものは全部手に入れてきた。力ずくでも。
だから、俺は簡単に落とせると思った。
初めて本気で、恋をしたのに。
(一人で突っ走ってた自分がバカみてぇ…)