Book 大好きな君へ

□love song...]T
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あれから、進展はなにもなくて。ただただ時間だけが過ぎていった。



「はぁ〜…」



気づけば夏休みも後一週間。ツナたちとはプール、海、花火大会、夏祭り…とにかくたくさん遊んだけど、



(遊んだけど)



獄寺は、一度も来なかった。町を歩いていれば会えるかな、なんて考えて暇さえあれば散歩してたんだけど…会わなかった。

それと、委員長にも。



(私の気持ちは、もう決まってるのに)



獄寺に告白されてからけっこう月日が経った。返事はとっくに決まってたけど、なかなか言い出せなかった。

でも、今はもう。



(もう、迷わない)



携帯の電話帳を開く。
獄寺の電話番号。震える指で通話ボタンを押す。



「おかけになった電話は…」



やっぱり。
つながらないって分かってた。
あの日から、肝試しをしたあの日からずっとつながらない。



「どうして?」



やりようのない不安。

ほかに好きな人が出来た?
それとも、全部最初から嘘だった?
無数の考えが頭の中でぐるぐる絡まる。
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