Dream
□幻覚か現実か
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夢を見る。
真っ暗な闇に呑み込まれる夢。
あなたに助けを求めるけど
伸ばした手は、いつも
振り払われてしまうの。
深く、深く深く
呑まれていく。
「ねぇ、骸」
「どうしたんです?名無しさん」
「一生、何があってもずっと傍にいてくれる?」
私の髪を優しくなでる骸。
「ええ、死ぬまでずっと」
「…本当に?」
一瞬、悲しそうな顔をしたけど、すぐにいつもの優しい笑顔を浮かべて抱きしめてきた。
「本当ですよ…」
でも、知ってる。
私達にそんな約束はできないってこと。
いつかは
私の前から消えてしまうってこと。
今、目の前にいるあなたが
幻だってこと…
だから
せめて、本当に消えるまで
本当にいなくなるまで
深く深く愛して−。
幻覚か現実か