Dream
□今年の抱負はもちろん、
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「んー抱負、か…」
今年の抱負。そんなの適当に書けばいいって思う人もいると思うけど…そうもいかない。廊下に張り出すって言うんだから話は別。
「何ーツナ悩んでんのー?ね、私の今年の抱負聞きたい?ねぇ聞きたいでしょ?」
「いや、誰も聞いてないし。と言うか授業中…」
いや、何この子…勝手に話し始めちゃったよ。
「ふふん、私の抱負はねぇ…。打倒獄寺よ!今年こそ、私がツナの右腕になるんだから!」
「ええっ!?名無しさん何言ってんの?とうとう頭にきちゃった?大丈夫?」
「っつーことで獄寺のたこヘッド!覚えとけ!」
ちょっと!授業中だってば!獄寺君すごい睨んでるしみんなしらーってした目で見てるし。
俺も大変だなぁ……って何で自分に自分でこんなせりふ。
「でも、ホントの抱負はね」
俺の耳元で話し始めた名無しさん。
-ツナに似合うような女の子になること
不覚にもドキッとする俺。
ドキドキした?ねぇ、ねぇ!って聞いてくる名無しさん。まぁ、不覚にもドキッとしたけど口になんか出せないよ…ね?うん。
「私の今年の抱負はツナの右腕になることー!」
「ってめ!ちょっと待て!」
「ああ、もう…」
授業中にもかかわらず廊下に飛び出して叫びながら走る名無しさん。その後ろを追いかける獄寺君。恥ずかしいから止めてくれないかな…。
でも、そんな名無しさんを見て思うんだ。俺の今年の抱負。それは、
名無しさんに似合うような男になること
面と向かっては言えないけどずっと君のこと思ってるよ。
だから、もう少し俺が頼りになる男になるまで待ってて。
今年の抱負はもちろん、
(でもさすがにこれは張り出せないな…)(おっ、ツナなんて書いたんだ?)(うっわぁ!)