Dream

□やっぱり目が見れない
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「ねー、獄寺まだー?」


「後ちょっとだよ…」




俺の席の前のやつのいすに反対向きに座っている名無しさん。だから必然的に向かい合わせになる。




「早く日誌書いてよ。」


「ああ…(早く書けって言われても…)」




もうとっくに書き終わってるんだけどな。後ろ向きにいすに座って俺の机の上でだらしなく頬杖ついて上目遣いなんかされてたら顔上げられるわけねーだろ…。好きなやつの顔、名無しさんの顔すらまともに見れない俺だからなおさら無理。
さっきからずっと深く俯いたまま日誌を書くふりをしてる俺。




「ねぇ、聞いてるの?」




だんだんイライラしてきてる名無しさん。つかなれなれしく名前で名無しさんとか呼んでるけど、本人の前で、そもそも声に出して名前で呼んだことねーし。




「もー!獄寺!?」




突然俺の顔を覗きこんできた名無しさん。パチッと目が合う。あまりに突然の事だったから勢いよくいすから立ち上がって名無しさんから目をそらす。




「何してんの?……あー!書き終わってんじゃん!」


「(顔、近かったし、目ぇ合ったし。)」




火照った顔、赤くなった頬。んな顔みせれねーから手の甲で顔を隠す。




「じゃ、出してくるね。」


「あ、ああ…」




あいつと日誌当番するなんてもっぱら無理。ありがた迷惑。




「(とにかく、)」




名無しさんが戻ってくる前にこの顔どーにかしなきゃな。





やっぱり目が見れない
(顔さえも、見れない)


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