Dream

□屋上ラプソディー
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毎日聴こえてくる、と言うより聴いている。誰かを待ち続けて、誰かを恋い焦がれて吹いてるフルートの音。屋上は僕のお気に入りの場所だからね。たまたま屋上でフルートを吹いてる名無しさんを見つけたんだ。悲しげな姿がどこか妖艶で一瞬で僕の目は奪われた。
気づいたら毎日ここでこうしてフルートの音色を聴くのが日課になっていた。




「ねえ、」




僕が話しかけるとフルートを吹くのをやめて辺りを見回している名無しさん。
僕の姿を見つけると少し驚いた顔をした。当たり前だよね、初めて話しかけたんだから。




「雲雀さん…いたんですね。」


「毎日聴いてたよ。」




そうですかって言ってフルートをケースにしまい始めた名無しさん。
やっぱり少し悲しそうな顔をして。




「何で、そんなに悲しそうなの?」




一瞬手を止めたけど、またすぐに動かし出して苦笑いを浮かべた名無しさん。




「彼が…大切な彼が帰ってこないんです。連絡も無くて、居場所もわからない…。」


「じゃあ何でフルートを吹いてるの?」


「彼…フルート大好きだったんです。見た目はそんな風には見えないんですけどね。オッドアイでちょっと怖くて…」


「…オッド、アイ?」
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