Dream
□屋上ラプソディー
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まさか、まさかね。
名無しさんが言う大切な彼って、あいつなわけ…。
「その人、黒曜生…?」
「そうですけど…知ってるんですか?骸のこと…」
やっぱり…ね。フルートはあいつのために毎日ここで。
「いや、勘違いだったみたい。」
「…ですよね。」
また悲しそうな顔をした名無しさん。
しょうがないから、一言だけ言ってあげる。
「近くにいなくても聞こえてるんじゃない?大切なら、心を込めて吹いてるなら。」
なんか、僕らしくないね。
けど心なしか少し笑顔になったような気がする名無しさん。
「だから、毎日吹きなよ。思ったままの気持ち。」
「っはい…!」
屋上ラプソディー
(次の日から明るいフルートの音色が聴こえ始めた)