Dream

□屋上ラプソディー
2ページ/2ページ



まさか、まさかね。
名無しさんが言う大切な彼って、あいつなわけ…。




「その人、黒曜生…?」


「そうですけど…知ってるんですか?骸のこと…」




やっぱり…ね。フルートはあいつのために毎日ここで。




「いや、勘違いだったみたい。」


「…ですよね。」




また悲しそうな顔をした名無しさん。
しょうがないから、一言だけ言ってあげる。




「近くにいなくても聞こえてるんじゃない?大切なら、心を込めて吹いてるなら。」




なんか、僕らしくないね。
けど心なしか少し笑顔になったような気がする名無しさん。




「だから、毎日吹きなよ。思ったままの気持ち。」


「っはい…!」





屋上ラプソディー
(次の日から明るいフルートの音色が聴こえ始めた)
前へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ