Dream
□似非ヒーロー
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「名無しさん、大丈夫か?」
「ありがと。おにい…。」
私のおにい、ザンザスはいつも私の側にいてくれる。忙しいときも極力。優しい優しいおにい。
けどね、私に優しくしてくれるのは妹だから。守ってくれるのは妹だから。
おにいにとって私に良くするのは義務っていうか、当然のことなの。
特別な感情なんか、ないの。
「おにいはさ、どうして私の側にいてくれるの?」
返ってくる答えはいつも同じ。
「妹だからだ。」
「じゃあ、もし私がおにいの妹じゃなかったら?」
これも返ってくる答えはいつも同じ。
「見捨ててんだろ、たぶん。」
おにいの妹。どれだけ凄い存在なんだろうね。妹じゃなかったらどうなってるんだろ。
運命って残酷だよ。
「おにい…」
「何だ。」
「大好き。」
こうやって言ってもああって言って軽く流されちゃう。伝わらないんだな。こんなに思ってるのに。
大好きな、私のヒーロー。
似非ヒーロー
(私だけのヒーローになることはない)