J 1
□白ひげ 01
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体が、熱い。
濁音が呼吸に交じり、視界が混濁する。
耳鳴りがひどく、艦隊が爆発する爆音すら聞き取りづらい。
平行感覚はとうに失われ、炸裂する爆光に網膜は焼かれ、視力はほぼない。
だん、と、足に伝わる感覚に、自分がどこかに降り立ったのを感じた。大きな一つの魂を取り囲むように在る数百の魂。動揺と警戒と敵意。だが、すぐには襲っては来ないだろう。一際大きな魂には、動揺も敵意も見られなかった。
今、問題なのは、背後に在る158。
時間感覚はもはや無く、バスターコールが始まってどれほどの時間が経ったのかもわからない。
が、これだけは確かだ。
(アレを消せば、終わる)
望んで望んで渇望したものを、手に入れようとしている。が、朦朧とした意識には何の感慨も浮かばない。
ゆっくりと、震える手が振り上げられ、
一拍の静寂の後、
最後の咆哮が轟いた。