Story

□マフラー
1ページ/1ページ

クリスマスに渡そう、
決心して編み始めたマフラー。
一色で編むのはやったことがあるから、あえての柄入りの難しいやつ。
挑戦したら編み上がんなくて、結局できたのは一月半ば。
しょうがないからバレンタインに渡そうかな、なんて、今日になった。





マフラー





「ハッピーバレンタイン、家に帰ったら開けること!」
「ありがとーっ」
包装したマフラーをどすっと渡すと、喜ぶ大型犬、もといあたしの彼氏。
「マフラーだから、明日から使ってー」
絶対使うんだよ、なんて念をおしたら、もちろん、とか、嬉しそう。
「よっしゃ、楽しみにしてる」
予想以上に喜んでる姿見て、嬉しかったけど…




次の日、あいつはちゃんとマフラーをして来た。
してこないかなって思ってたからびっくりして、見つけた瞬間大爆笑、つい背中バシバシ叩いて叫んだ。
「つっ、つけてるーッッ」
ピンクと白のボーダーに、赤で【I LOVE YOU】。真ん中に彼の名前を入れた、特製マフラー。まさかつけてくれるなんて。
「っ、んだよ、お前がつけろっつったんだろ!」
顔真っ赤にして、すごい恥ずかしがって。できるだけ顔見えないようにマフラーに埋めて。
たぶん電車の中もこのままで来たんだ。
友達にからかわれる様子が頭に浮かんだ。
「やー、サイコーっ」
恥ずかしがる彼を目の前に、笑いながらバックを漁る。中から紙袋を取り出して、彼に渡した。
「?なに、これ。」
「シンプルマフラー。」
袋から出てきたのは、黒一色のマフラー。
「プレゼントその2!」
明日からそっちでいいよ、そういいおいて逃げる。
後ろで彼が叫んでて、あたしは笑いが止まんなくて。

プレゼントをあげたあたしが、愛を確認した日。









end?
















おまけ(?)

後日

「おじゃましまーす…って汚っ」
「るせーな、そのへん座っててよ」
「はーい………あッ」
「うぉっ!なんだよ」
「これ大切にしてくれてるんだぁ」
「あッ、ちょっと見んなバカ!」



こんどこそ、end.。

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ