Story

□恋
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引き出しに隠された、一枚の写真。
あの人と会うことは、もうない。







ずっとずっと好きだった。
いつもあの人を見つめて、いつも想ってた。
あの人を想うと、胸がきゅうんとして、苦しくなって。
あの人に会えると、幸せな気分になれた。

机の中に溜まった手紙。
書いても渡せずに、増えていったそれは、結局日の目を見ずに灰になった。

あの人から告白されて、有頂天になって。
お互い緊張しまくった初デート。
ドキドキして、苦しくて、でも嬉しくて、楽しかった。
この写真はその時に撮ったもの。

あの時は、必死だったな…。





「ご飯だよ」

階下から聞こえた声に、現実に戻される。

「はぁい、今いきます」




きっとあの恋は、あたしの最後の恋。

愛する人はいるけれど、

恋をした人は、あの人だけ。












「何見てたの?」
「…あたしの、青春」
「へ?」



end.

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