01/21の日記

00:40
風雲御伽草子【三】
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「えーでは、今日からこのクラスに新しい仲間が加わる事になった。入ってこい」
担任に促され、教室の扉がスッと開く。
俺たちと同じ、緑色の制服に身を包み、歩く度に左右に揺れる色素の薄い柔らかそうな髪の毛。
(あ、れ…?)
俺は目を見開いた。
ついでに口も開いていたに違いない。
でも、そんな事はどうでもよかった。
なぜなら、目の前に立っているソイツは…
(な、んで…)
「善法寺伊作です!よろしくお願いしますっ!」
ニコリ、と優しく微笑んで、礼儀正しくお辞儀をする転入生。
(今朝の…だ、よな…?女…じゃねえか…声、低いし…)
もしかして、女装癖がある…とか?
なとど、まだ少し混乱している頭で考える。
すると、頭を上げたソイツはぐるり、と教室を見回して
「あ!!」
突然大きな声を出した。
なぜか、俺の方を真っ直ぐ見つめて。
そして一目散に向かってくる。
な、なんだ??
「君!留くん!留くんだよねっ!?」
ガシリ、と突然手を掴まれ、何がなんだか訳が解らない。
担任もクラスメイトも、何が起こったのか解らずにただその様子を見守っている。
なんだ、コイツ…
俺は訝しげにソイツを見る。
が、目の前にはキラキラと眩しい程に輝く笑顔。
それに“留くん”って…なんで俺の名前知って…
「…あ、」
思い出した。


“―留くんっ!!―”
それは、遠い遠い昔。
俺の事をそう呼ぶ奴が、過去に一人だけ居た。
あれはまだ、俺が五つか六つ、いや、もっと前だったのかもしれない。
俺の住んでいた村に、突然ソイツはやってきて。
少しの間、本当に少しの間だったが。
俺たちは、一緒に遊んだり、飯を食ったり、昼寝をしたり。
「もしかして…」
それは俺にとって、一番最初に出来た“友達”で。
「いっ、ちゃん…?」
それは、俺が始めて“好意”を持った人間の名前。

そして。
俺の言葉を聞くと、目の前のソイツは一瞬の間を置いてニコリ、と嬉しそうに微笑みこう言った。


「ありがとう。覚えててくれて」










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あとがき。

第三話。
ようやく主要キャラ二人目登場です。
そして明らかになる新事実。
『去っていった同室と伊作は別人www\(^o^)/』
今回伊作さんは六年から忍術学園に転入という形になります。
やっと、やっと六はの絡みが書ける…!!!
とはいえこの伊作くんはいつもと性格ちょっと違うんですけどね実は^^^^
でも、それはそれでおいしい(^q^)
私はどんな伊作も好きだ\(^o^)/\(^o^)/

というわけで、第三話終了。
実は地味に担任がお気に入りキャラですwww←

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