NOVEL

□A Long Walk
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「貴様ら其処で何をしている。」
冷たくて低くて圧倒的な威力感を持つ声で男達はいっぺんに止まってしまった。
「ア、アヤナミ様!?」
テイトは驚きを隠せず叫んでしまった。何故此処に自分の上司が小町のど真ん中に居るんだろう。気配と足跡は完全に無くて突然後ろに立っているから一驚を喫するが上司の姿に口を塞げないまま呆然する。
軍服を着ていない参謀長はまるで別人だ。
彼 のベグライターだから休日も当たり前に同じで、そういう時に官製を着けるのも可笑しい筈なのに彼の私服姿なんて想像した事が無い。全体的に濃い色を身に着 けてコートも彼に良く似合う黒。そのお陰で銀色の髪が目立つ。普段に比べればなんとなく穏やかな雰囲気が沸いてくる。ついで常に腰に掛ける刀も鞭も何処に も見当たらない。やはり帽子は頭の上に生えていないんだと失礼なことを考えている内、そういえば軍服以外の姿なんて一度も見た事が無いと築く。
「何だよテメエ」
「何か俺達に用でもあんのかっコラー」
不良共は未だ何か言いたがりそうだアヤナミの高速なザイフォンで一気に男達を壁にぶつけて気絶する。傍観者は壁が凹んでいるのを目撃すると口を開けたまま石化している。それも全てお構いなしにテイトは自分の上官の方へ向く。
「アヤナミ様?」
「あの屑共に何かされるような事は無いと思うが様子を見に来た」
と説明した。
「大丈夫です。調度追い払うところでした。」
「そうか。」
「でもさっきは態々助けに来てくだっさって有難う御座います。」
「礼を言うほどの事ではない。私はお前の上司だ。」
部下の面倒を見るのは当たり前だ見たいな事を言われたがそれでもテイトは嬉しさを感じた。
「此処が人混みのど真ん中で無ければ…」
め んどう臭そうに言うのをを聞いてテイトは苦笑した。アヤナミ様の事ですからきっと容赦無く殺されるだろうな…それも血塗れにザイフォンでバラバラに斬られ るのは予知出来る。でも幾ら軍人だからって町の大道で白昼に人殺しは不味いだろう。意識不明の不良共は後で警察が片付けてくれるとそう思って先ほどから抱 いている疑問をぶつける。
「アヤナミ様、どうして此処に…」
「休日だから息抜きしに来た。」
意外性で吃驚いるテイトを拝見すると仕事に呼び出されぬように何時も休みの日には普段居ない場所で過ごしているとそう告げる。固定的な場所に居ればいずれ見つかっていまう。そう聞けば直ぐ納得して少年は参謀長の重要さに又感心し、そしてアヤナミ自身に思いやる。
自 分の一番引っ掛かった疑問を分明すると今度は目の前に居る上官の姿が目から離れない。まるで夢を見ている様で、でも想像力の低い自分が思いつく筈も無い。 やはり軍服を着ていない故なのか?ほんの少し柔らかく見えてやさしく見える。(これを見たらヒュウガ少佐はきっと喜ぶだろうな。)
「私の私服姿がそんなに吃驚させるのか。」
しまった。横からしげしげ見ているのにアヤナミ様が築かない筈がない。上司をまじまじと見る等とんでもない礼儀知らずのミスを犯してしまった。
「い、いえ!………はい」
反射的に否定しようとしたが素直に答えた。
「私も四六時中で軍服を身に着けている訳ではない。」
「それもそうですね。」
「余り着込む機会は無いがな」
と言い付けて苦笑する。その表情を見てテイトは呆然した。普段絶対顔にしない表情を見て人は環境によって態度が違うと深く思い知った。
「で、でもアヤナミ様に凄く似合っています。本当です!」
少し驚いた様な反応を診て慌てて言葉を追加した。
「否、お前の方が似合わしい。」
「え!?」
名に言われているのか頭に入らないが顔が急に熱くなってゆく。もう直ぐ冬なのに。
「ア、アヤナミ様は何故この町を選んだんですか?」
急いで話題を変える。上司はきっとそれにきずいるのだが幸い追い詰めないようだ。
「近くに綺麗な湖が在ると聞いてある。側へ行く所だったがお前の気配を感じてな、」
どれ程遠くからですか!?固有的に人波に近寄らない性格だから間違いなく結構遠くから感じたんだろう。普段聞いたら信じようが無い事だがアヤナミ様が言えば疑いの無い事で、最早そうで無ければ異常って言える。
「そうだったんですか。」
会話を続けようとすると今度はある女性から声を掛かれる。
「あ、ねえ其処の子。大丈夫?」
ハイと頷くと女はとんでもない発言を口にする。

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