捧げ文
□今度は俺から
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些細なことでいつも喧嘩して。
いつの間にか仲直り。
それが俺達だったのに。
あいつに最後会ったのは何週間前だろう。
そんなことをぼんやり考えながら
俺はタバコを吸った。
それと同時に俺の部屋の戸が開き
咄嗟にそちらを向くと
「…何の様だ総悟」
「何の様だとは何ですかィ、どこかの腰抜け野郎が陰気臭い顔でタバコ吸ってるって苦情が来たんで来ただけでさァ」
「ほぉ…そりゃあ誰のことだ、あぁ?!」
「事実でさァ、しかもまだ土方さんのことなんて一言も…」
「まだってなんだとコラァァア!」
「ほら、そうやってすぐ噛み付くから旦那と喧嘩なんてしたんでさァ」
「っ…!」
俺は言い返せず、ただ唇を噛み締める。
そうだ。
俺はあいつと喧嘩した。
今までとは違う、喧嘩。
何度会いにいこうと思っても
何度謝ろうと思っても
無理なんだ。
怖いんだ。
もうあいつに拒絶なんてされたくねぇんだ。
何週間か前に
俺は万事屋に来ていた。
一応俺と万事屋は恋人同士とかいうやつで。
久しぶりに非番になり、万事屋も仕事がないから
二人で酒でも飲みながら話そうと
俺は万事屋に来ていた。
「でよぉ、この間…」
「なぁ、銀時」
「…ん?どうした?」
「…いや、んでもねぇ…」
その日俺は
聞きたいことがあった。
それは万事屋が前通りで女と腕を組みながら歩いていたことだった。