捧げ文

□嫌われてるんだ
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俺はお前が好きだから。
好きだと気付いてしまったから

だからこの気持ちをどう隠したらいいか、わからないんだ。





今日は久しぶりの非番だ。着流しを着て、堅苦しい隊服を畳んで屯所を出る。
どこに行こうかと

頭でぼんやり考えながら、タバコを咥えて火を付ける。

と、同時に。

視界の端に映る嫌でも目立つ

銀色の髪。

俺はそれを見ないフリをしながら

ゆっくりとその場からそいつに気付かれないように歩き出す。


いつからだろう。

あいつに対してこういう行動をするようになったのは。

俺があいつのことを好きだと気付いてから

それから俺は今まであいつと、万事屋にどういう対応をしていたか

わからなくなってしまった。

妙に意識しすぎる所為だとはわかる。

ただ俺はこういう気持ちに気付いて、相手に対してどう接していいかわからないんだ。

ましてや男同士の俺達はそういう感情を気付かれてはいけないんだと。

そう思って


万事屋と偶然会っても知らないフリをしてきたんだ。

『大丈夫だ、下を向いてたらバレね…』

「おい」

「は」

何故お前はこういう時に限って話しかけてくるんだ。
俺はお前に気付かれて欲しくない

今の関係を壊したくない。

そう思うと俺はそこから逃げるように走って
屯所に帰り、その日は全く外には出ることができなかった。
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